ライバーは確定申告が必要？

ライブ配信で収入を得ている場合、金額によっては確定申告が必要です。「知らなかった」では済まされない税金の話。自分が申告対象になるのか、正しい知識を身につけてトラブルを防ぎましょう。

確定申告が必要なライバー

ライバーとしての活動状況によって、確定申告が必要になる基準が異なります。ご自身の状況に合わせて、以下の4つのケースを確認しましょう。

• 専業ライバー（ライバー収入が主な収入源の場合）
  会社などに所属せず、ライバー活動が本業の場合は「個人事業主」扱いとなります。1年間の「所得（収入から経費を引いた額）」が、基礎控除額である48万円を超える場合は確定申告が必要です。
• 副業ライバー（会社員などが副業する場合）
  会社員として給与をもらいながら、副業で配信している場合です。給与所得以外の所得（ライバーとしての利益）が年間20万円を超えると申告義務が発生します。
• 学生・主婦ライバー（扶養に入っている場合）
  親や配偶者の扶養に入っている学生や主婦の方も注意が必要です。年間の所得が48万円を超えると、確定申告が必要になります。また、所得額によっては扶養から外れ、親や配偶者の税金が増える可能性もあるため、家族との相談も重要です。
• 事務所所属ライバー
  事務所に所属していても、雇用契約ではなく業務委託契約が一般的です。報酬からあらかじめ源泉徴収（税金の天引き）がされていない場合は、自分で申告して納税しなければなりません。源泉徴収されている場合でも、確定申告をすることで払いすぎた税金が還付される（戻ってくる）可能性があります。

確定申告が必要ないライバー

すべてのライバーに申告義務があるわけではありません。原則として以下の条件に当てはまる場合は、確定申告は不要です。

• 所得が基準以下の場合
  年間の所得（収入－経費）が、専業なら48万円以下、副業なら20万円以下の場合は確定申告の必要はありません。ただし、住民税の申告は所得額に関わらず別途必要なケースがあるため、お住まいの自治体に確認することをお勧めします。
• 報酬をもらっていない・換金していない場合
  アプリ内でギフトやポイントを獲得していても、それを「換金（現金化）」していない場合や、物品などの報酬を受け取っていない場合は課税対象になりません。あくまで「利益が確定した段階」で計算します。

確定申告をしないとどうなる？

「バレないだろう」と放置するのは非常に危険です。税務署は銀行口座やアプリの履歴を調査できるため、無申告は高い確率で発覚します。

もし調査が入った場合、本来払うべき税金に加え、ペナルティとして「無申告加算税」や「延滞税」といった追徴課税が課されます。悪質な所得隠しと判断されれば、さらに重い「重加算税」が課されるリスクもあります。

最悪の場合、脱税として刑事罰の対象になる可能性すらあります。社会的信用を失わないためにも、期日内に正しく申告を行いましょう。

ライバーが経費にできる物は何？

確定申告で節税するためには、配信活動に関わる出費を正しく「経費」として計上し、課税される所得額を抑えることが重要です。

• 撮影機材・環境整備：スマホ、PC、照明ライト、マイク、配信用の衣装やコスプレ、メイク道具、背景の装飾品など。
• 通信費：配信に使用するインターネット回線代やスマホの通信料。プライベート使用分と分ける「家事按分」が必要です。
• 外注費・交際費：アイコンやグッズ作成の依頼料、コラボ相手との打ち合わせ代など。
• 家賃・光熱費：自宅で配信している場合、使用しているスペースや時間の割合に応じて、家賃や電気代の一部を経費にできます。

これらを証明するための「領収書」や「レシート」は必ず保管しておきましょう。

確定申告について教えてくれるライバー事務所も

税金の手続きに不安がある方は、税理士と提携しているライバー事務所への所属も一つの手です。確定申告のサポートや講習を行っている事務所なら、複雑な事務作業に悩まず、配信活動に専念できる環境が整います。